完全自由診療化に際して

歯科医はひとつの相談業です。

いろんな歯の悩みをもって来られる患者さんと話し合いながら、計画を立てて、そして治療していく。

そんななかである種ベストプランを知っているのは私だけです。しかし皆さんがそれを望まれるわけではない。

どういうかたちで関わらせてもらえるか、そこをしっかり話し合わないといけない。

また口の機能にはいろいろありますけれど、全体で一つの仕事をしています。トータルバランスっていうんでしょうか。

そういうことも考えながらしたい。

 

保険診療というのは独特の枠組みをもっていて、どうしてもそういうのはむつかしい。歯科医もいろいろなんで、それを御するのにいろいろルールもいるのでしょう。

ただほとんどが公費負担になっているので、最低限度というのがまず大前提。

工夫してもしなくても、頂ける治療費は同じという悲しい面もあります。

 

一生もつ歯科治療というのもないわけですけれど、とにかく一回の治療が長くもたないといけない。保険による治療では平均4年ほどでやりなおしになってるというデータもあります。

ところが歯は4,5回治療を繰り返すともう治療できなくなる(抜歯になる)のです。一本失うまではなかなか実感がわかないところがむつかしいのですが。

どっちかというと歯を治すのは、何かアクセサリーを修理するような感覚の患者さんもいらっしゃいます。(保険)治療費は安いんだから、また直せばいい・・・と。

ところが食を楽しむ年齢というのでしょうか、早期発見・早期治療を旨にせっせと(保険)治療を繰り返した人ほど、老後に歯がないということになる。

そこをなんとかしないといけない。

 

例えばレストランを始めたいとき、国のルールがあって、"カレーライスは一皿200円"というふうに、価格が決まっていたらどうでしょう?

その時考えることは誰でも同じです。出来るだけ安いお皿を使って…

乱診乱療とかたたかれることが多い歯科治療ですけれど、やはり運営というか経営というのもあって持続しないといけない。

価格的なことでは、公務員的な側面が強いわけですけれど、歯科医は消防車を自腹で買って消防士をしているようなものだ、とある人が言いました。

言い得て妙と、変に納得してしまうのは私だけではないと思います。

 

今風に言う炎上って言うのを恐れずにいうと、歯科治療にはちょっと芸術的な側面もあって、治療のひとつひとつはやっぱり自分の作品、みたいなところもある。

こだわって仕事がしたい。妥協したくない。

ということで開業18年にして、勝手ながらの完全自由診療化ですが、その趣旨についてご理解賜れましたら幸いです。

根管治療に関しては、アメリカで最も有名な歯内療法専門医(根管治療の専門医)という称号をもつ人に20年ついて学んできて、うれしいことに結果も非常に認めていただけた。

ですので一応根管治療の価格についてはアメリカの専門医の(それでもやっぱりここは日本ということもあって)七掛けくらいにさせて頂いてます。

あとは治療ごとに、これくらいだったら、ゆっくり患者さんとお話して、患者さんも自分も納得できる仕事ができるかな、という値段にさせていただいております。(治療費のページをご参考ください)

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